~オリックス・若月健矢、金子弌大を打つ の巻~
金子弌大
開幕ローテ入りを目指す榊原がまた崩れ、4回4失点。
なんとなく締まらない試合の雰囲気が一変したのは、ピッチャー・金子弌大のコールが京セラに鳴り響いたとき。
地鳴りのような声が球場内に轟きました。
公式戦でないため金子にも笑顔があり旧友を懐かしむ空気でしたが、先頭の西浦に投じた4つのストレートがすべてボール。
金子のストレートの四球などほぼほぼなく、やはり13年間お世話になった古巣に投げるのは勝手が違ったよう。
後藤駿太 vs 金子
2イニング目の五回裏ワンアウト、打者はここ最近振りが鈍かった後藤駿太。
金子のツーシームを捉えた当たりはぐんぐん伸びて、レフトオーバー、フェンス直撃のスリーベース。
後藤のライトではなくレフトオーバーなどほとんどお目にかかりません。
もちろん打った後藤が見事も、そこまで弾き返された金子の球威のなさが余計に目に付きました。
昨年著明に球威が低下した金子。
前々年の疲労もあったとはいえ、契約ごたごたの際、金子がチームから去っても大きな影響はないと思った最大の要因がまさにその球威のなさでした。
若月健矢 vs 金子
続く打者は、若月健矢。
若月と金子といえば2017年の開幕戦。
若月を正捕手に据えたいチーム事情もあり、伊藤ではなく若月を開幕スタメンに起用するも、如実に若月のリードを嫌った金子。
臨時コーチを務めた山田久志が金子にエースとしての責務として頼んでいたのは、若手捕手の育成。
エース山田自身、晩年自らが苦しい立場に置かれながら同郷の強肩捕手・中島聡を一人前に育てるため腐心していました。
その開幕戦以降若月とバッテリーを組むことはなく、結果として首脳陣にいらぬ気遣いをさせることに。
若月が拒めるはずがなく、この関係は金子が生んだもの。
その若月vs金子。
2球目の甘いカーブを叩きセンター前に。
今春オープン戦での伊藤光との対決時とは異なり、ともに笑顔はなし。
鈴木昂平 vs 金子
若月を一塁に置いて、バッター・鈴木昂平。
金子のストレートを捉えた当たりは、ぐんぐん伸びて左中間を深々と破るツーベースヒット。
鈴木昂平の長打などほとんどお目にかかりません。
もちろん打った鈴木が見事も、そこまで弾き返された金子の…(以下同上)。
そして一番・福田もストレートを弾き返してのセンター前で、4連打で2得点。
下位打線で金子を打砕いたオリックス。
開幕2戦目の前哨戦は、オリックスに軍配が上がりました。
金子弌大、ここから戻してくるかここまでか。
いずれにせよ、3月30日が楽しみです。
杉本裕太郎 vs 宮西
二番手の荒西、2安打の頓宮も良かったですが、私的に嬉しかったのは杉本裕太郎の代打本塁打。
打った瞬間の特大アーチ。
名セットアッパー・宮西からの一発という点がこの一打の評価をさらに高めます。
昨日のライト線のツーベースもパワーでもうひと伸びした印象で、頓宮同様、観ていてなにかを期待してしまうバッター。
選手の欠点が気になる福良の下ではなかなか起用されなかったはずで、監督交代のこの好機をぜひ掴んでほしい。
西浦、小田、後藤、武田、佐野、そして杉本。
激化する外野戦争。
この競争こそ、今年のオリックスの象徴です。
パのチーム相手の逆転勝利
終わってみれば、7-5でオリックスの勝利。
オープン戦でも逆転勝ちは気持ちよく、
さらにそれがパのチーム相手だとなおさら。
「オープン戦だとしてもそこ(パのチーム相手)に勝つか負けるかで違うからね」(Full-Count)と語る西村新監督。
よく分かっておられる。
明日は、オリックス勢の活躍が目立った侍ジャパンについてです。