~オリックス、福良GMインタビュー「急場凌ぎの補強はしない」① の巻~
鈴木優
本日開催予定の、オープン戦恒例・姫路でのロッテ戦はグラウンド状態不良のため中止。
無観客でもあり、無理してプレーする必要なしとの判断。
ただ、先発予定だった鈴木優にとっては痛い中止。
本田仁海とともにファームで結果を残してきた鈴木。
教育リーグで滅多打ちに合ったK‐鈴木と故障発生の張奕は開幕一軍絶望的。
雌伏6年。
鈴木にとってようやく巡ってきた好機。
田口曰く「チャンスは3年で9回」。
いまは、鈴木にとって間違いなく9回の一つ。
「福良GMが目指す育成のオリックス「急場凌ぎの補強はしない」」
Sportivaにて3回にわたって掲載された、オリックス・福良GMへのインタビュー。
前中後編で最も興味を引いたのが中編「福良GMが目指す育成のオリックス「急場凌ぎの補強はしない」」。
ここからいくつか引用させていただきます。
―― 福良さんはGMとして今のバファローズをどういう方向へ導こうと考えているのでしょう。
「まずは育成に切り替えていこうということが第一です。その方向性はスカウトの人たちとも共有しています。つまり、ドラフトではもう急場凌ぎの補強はやめようということですね。ピッチャーに関してはこれまでどおり、社会人出身の選手も獲りますけど、野手に関しては高校生を中心に、大学生までという方針でいこうと考えています。
以前は間に合わせのような感じで、すぐに使えそうな社会人の外野手を指名して、結果、似たようなタイプの選手ばかりを獲ってきました。今はファームも舞洲(まいしま)に移って環境もよくなりましたし、これからは高校生や若い選手を多く獲って、育成に力を入れていこうというふうに考えています」
「すぐに使えそうな社会人の外野手を指名して、結果、似たようなタイプの選手ばかり」
GMに就任した福良が注目したのが、いままでのオリックススカウトの「急場しのぎの補強」。
福良主導の育成転換に合わせ、アマチュアスカウトグループ長を務めていた中川隆治との契約を終了(今年からロッテスカウト)。
内部リストラを敢行することでスカウトとの方向性を共有。
以前は間に合わせのような感じで、すぐに使えそうな社会人の外野手を指名して、結果、似たようなタイプの選手ばかりを獲ってきました
近10年、オリックスが獲得した社会人外野手(独立リーグ含む)は、宮崎祐樹、深江真登、川端崇義、小田裕也、杉本裕太郎、西村凌。
杉本はロマン型、深江は一芸型、宮崎、川端、西村は同タイプ。
アマレベルで三拍子揃った選手
個人的には、社会人・外野手を問わず、外野手、内野手に似たようなタイプが多い。
たとえば、後藤駿太、吉田雄人、西浦颯大に社会人の小田を加えた外野手。
たとえば、三ツ俣大樹、縞田拓弥、堤裕貴、小島脩平、宗佑磨、西野真弘、大城滉二、岡崎大輔、福田周平、廣澤伸哉、山足達也の内野手。
いずれもドラフト時、三拍子揃ったと評された選手たち。
走攻守いずれもアマレベル60点で入団し、そのままプロのレベルでみれば45点平均の選手となり、特徴なくパワーもない(もちろんその後に個性が伸びた選手もいくらかはいますが)。
誰を使っても大差なし。
これがオリックスのスカウティングの特徴でした。
社会人野手不獲得宣言
福良はそこを改め、
ドラフトではもう急場凌ぎの補強はやめようということですね。ピッチャーに関してはこれまでどおり、社会人出身の選手も獲りますけど、野手に関しては高校生を中心に、大学生までという方針でいこうと考えています
社会人野手不獲得宣言。
既にその弊害に気付いていたのが、日本ハムとソフトバンク。
2006年の金子洋平(ホンダ)が、日本ハムが獲得した最後の社会人野手で、方針決定後15年が過ぎています(金子はオリックス・高見澤ともども怪我に泣いた選手。魅力的なバッターでした)。
ソフトバンクも2005年の本多雄一(三菱重工名古屋)が最後でしたが、今季、14年ぶりに佐藤直樹(JR西日本)を獲得。
福良もその流れに乗ろうとしています。