~オリックス、西浦・小田・後藤・佐野、激化する外野戦争 の巻~
空白地
昨年オープン戦と蹉跌を経てのシーズン終盤の活躍、さらにはその潜在能力を鑑み、私的にはセンターは宗佑磨でほぼ決まりと思っていました。
しかし、その宗が打撃改造に失敗し二軍落ち。
スタメンは10人、一軍登録数は29人と制限あるプロ野球、人の不幸は密の味。
一転、空白地となったセンターを我が物にせんと、多くの若者が名乗りを上げ始めました。
これぞまさしく「競争」。
この競争こそがチームを強くしていきます。
西浦颯大
西村オリックス、初の対外試合となった斗山ベアーズ戦。
14-4と白星発進のなか、外野手の奮闘が目につきました。
まずは一番に入った西浦颯大。
三回、外寄り低めの真っすぐをしっかり捉えてセンター前のあと、
警戒されているなか、すかさず二盗成功。
五回にも同じくストレートをライト前に。
紅白戦からここまで、アウトになってもしっかりと捉えた強い打球が多く、打ち損いが少ない。
いいバッティングが続いています。
小田裕也
続いて、小田裕也。
現状、センター開幕スタメンに最も近い選手。
四回の初打席、ストレートをきっちり引っ張ってライト前。
こちらも二盗成功。
捕手が最も投げやすい高めにストレートがきましたが難なく。
俊足の左打ちだと、一昔前はとにかく転がしてという指導が多かったもののさすがに時代遅れ。
小田にしても西浦にしても、強いスイングができており、それが成績向上に結びついています。
後藤駿太
そして、後藤駿太。
Tがセンターバックスクリーンに放り込んだ直後に、後藤もライトスタンドに綺麗な放物線を描きました。
それのみならず、2つのライトフライもいい角度のいい当たりで、一歩間違えば3本塁打。
上半身と下半身の連動が後藤の長年の課題ですが、ここ最近のバッティングをみる限り全く問題なし。
これこそがずっと待ち望んだ後藤の形。
昨年の大失敗をバネに、大きくジャンプして欲しい。
佐野皓大
最後に、佐野皓大。
低めのストレートを弾き返した当たりが左中間に。
これが三塁打になれば面白いと思いながら観ていたところ、躊躇なく、当然のごとく二塁を回り三塁悠々セーフ。
右中間でなく左中間への打球、フェンスに当たってクッションをもたついたわけでもなくて、余裕の三塁打。
これは使いたくなります。
次打者が右の飯田で、投手はサウスポー。
佐野ならばホームスチールもあるのではと思ってしまうくらいのワクワク感を抱かせる選手。
そうそういません。
こうでないと
上述の4人に武田、そして宗。
それぞれに強みがあり魅力的。
駿太しかいなかったあの頃を思えば、隔世の感あり。
一人が活躍すれば負けじともう一人が躍動し、もう一人が躍動すればさらに別のもう一人が活躍する。
これぞまさに「競争」。
今年のオリックスはこうでないと。