~オリックス、ライバル・ソフトバンクを敵地でスイープ②! の巻~
山下舜平大
セデーニョの延長勝ち越し弾でソフトバンクに連勝のオリックス。
スイープかかる3戦目の先発は山下舜平大。
地元福岡での初登板で、福岡ドームでの投球は2020年の夏の甲子園代替試合福岡大会決勝以来。
ドラフト前評価(~オリックス、2020ドラフト候補ベスト10(高校生編) の巻~)で、山下を高校生1位に据えたのはこのときのピッチングに衝撃を受けたから。
外れ1位で山下の名前が呼ばれた時の歓喜から今季の開花。
嬉しい限り。
12球団ナンバーワンの三本柱
その山下が、山本、宮城に続き快投。
高めの強い真っすぐで押し込み、時折投げるフォークで目先を変え、落差のあるカーブで空振りを奪うという、山下の王道ピッチングで、二塁すら踏ませず。
浴びたヒットは中村の2本のみで、7回無失点とほぼ完璧なピッチングを披露。
この3連戦、山本より宮城がよく、宮城より山下がよく。
12球団ナンバーワンの三本柱がきっちりと仕事を果たしました。
九回に宇田川
7回で90球。
もう1イニング山下にいってほしいところでしたが、中2日でのオールスターがあるからかここで降板。
山下代わってラッキーと仕切り直した相手との対決という難しい役割をこなしたのは復調傾向の阿部で八回を無失点。
九回は山崎でも平野でもなく、宇田川優希。
1安打浴びるも転がった場所によるもので、クリーンアップ相手に堂々の投球。
制球もばらけず、真っすぐもだいぶ戻ってきました。
宇田川が素晴らしかったのはもちろんのこと、この場面でWBC後不調だった宇田川を起用したベンチワークも秀逸。
選手のいまの状態をしっかりと判断できています。
再びのセデーニョ
相手先発スチュワートも山下に負けず劣らず強いストレートを投げ込み、オリックス打線も手こずるなか出た、再びのセデーニョ。
周東の好プレーなどあり嫌な空気が流れるなか、六回表、均衡を破るスリーランをライトに運び、試合を決めました。
その後の八回の打席、ランナー無走者での見逃し三振が実に淡泊だったのは、むしろチャンスでギアが上がることの裏返し。
チャンスで嬉々として打席に入れる前向きさは、クリーンアップを任せるに必要なファクター。
吉田が抜けた穴を森が埋め、森が抜けた穴をセデーニョが埋める。
これがいわゆる、選手層というものなのでしょう。
横綱相撲
宿敵ソフトバンク相手の敵地でのスイープ。
しかもその内容は3試合いずれもどちらに転んでもおかしくない僅差で、それらを全てものにしました。
山本、宮城、山下の強力三本柱をぶつけたことからでも分かるように、最重要視したこのカードを接戦で制す。
これぞまさに横綱相撲。
本当に本当に、このチームは強くなりました。
近藤への判定
最後に、カード2戦目、八回裏の近藤への判定について。
3-1からの5球目は、高さ、コースともにボールでしょうし、押し出しで喜び近藤が歩き出したのも分かります。
球審の誤審と言えば誤審も、それも込みでの野球。
応援するチームが誤審で不利な判定を受けるとすぐに審判を批判する野球ファンがいますが、そういう人間に限って自分の応援するチームが誤審で有利な判定を受けるとラッキーと黙って受け入れる。
その態度はあまりにもみっともない。
近藤の態度
審判も私たち社会人ともども、プロとして精一杯仕事をしています(もちろん試合球を盗んだつまらない人間もいますし、過去には権威を盾に恣意的な判定を行った審判もいます)。
また、一回でも審判(特に球審)をしたことがあれば、判定に悩む経験(それでも即座に判定しなければならない)、もしくは誤った判定をしたことは必ずあるはずで、審判の苦しみも十分に理解できるはず。
この世の中でミスをしたことがない人間がいないように、仕事をする中でミスが生まれるはある程度仕方ないこと。
それに対してリクエスト制度が設けられたことは、野球界にとって大いなる進化。
ただ現状ストライクやボール判定のようにリクエスト対象外の事例があるのもまた事実で、それが試合を大きく左右する場面で発生したとしても、規則上対象外であるならば、悔しいけれど選手もファンもそれを甘受しなければならない。
判定に気付いた後の近藤の態度がまさにそうで、またメジャーではストライク判定に対してもチャレンジ制度を導入する動きも出てきています(今季のフューチャーズゲームでも採用済み)。
泣く数と笑う数
個人的には審判で泣くことがあれば同じ数だけ笑うことがあると思っています。
審判の技術向上はもちろんの責務として。
このブログで、福良時代の神戸での誤審本塁打を除き、審判の判定について不平不満等含め意見を述べていないのはそういう理由によるものです。